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一生物の革選び 2 [フルオーダーの情報]

前回の続きです。

お客様が着こんだDOGHOUSEレザージャケットを見て
「こんな風にエイジングしたいけど どんな革のレザージャケットを購入すればいいの?」
という質問を頂く事が多いです。

なので今回は回答したいと思います。

IMG_7902.JPG

一番簡単な回答は 
DOGHOUSEレザージャケットを購入してくださいというのが
とても正しくシンプルな回答です。
少なくとも20年近く前にお客様の手に渡ったレザージャケットが
現実にこのようなエイジングになっているので間違いが無いことだと思います。

でもそれだと回答が雑なので
DOGHOUSEの革とにいう事ではなく
一般的な革の特性をベースにご説明したいと思います。
まず、一生着るという条件で革をセレクトすると
牛革 馬革 山羊革 バッファロー革の中から選ぶのがいいかもしれません
そして次に重要なのが鞣しですがクローム鞣しかコンビネーション鞣しの
いずれかの鞣しを施してある革をお選びになればまずは安心だと思います。

さてここで、反対の話をします
選んではいけない革の特徴です。(あくまでも長く着用し続けるという条件です)

鞣しについては渋鞣しの革は馬でも牛でも避けた方が良いと思います。
エイジングについては、味が出やすい鞣しですが比例して革も傷んでいきます。
特に表面処理のされてないヌメ革はやめた方が良いと思います。

革でいうとラム革(羊革) ディアー革 は非常に弱く
革の切り裂き強度はおろか革の銀面も弱く着用してもしなくても
どんどん革は悪くなってしまいます。
ラム革(羊革)では、クローム、渋、コンビ等、異なる鞣しを施していても
同じように長く着用することは難しいと思います。

でもそんなラム革等を使用したレザージャケットも世の中には数多く見ます。
インポートブランドや安売りのレザージャケットに多くみられると思います。
何故?そんな強度の弱い革でレザージャケットを作るのか?

それは縫製が容易だからです。普通の布帛品を縫うように製作できるからです。
(工場によっては布帛用のミシンで縫製している工場もありました。)
そして入手も簡単だからです。そして一番の理由は単価が安い革で縫製工賃も安いからです。
黒田も以前を他ブランドから依頼され
イタリアのラム革をの使用したジャケットを製作したことがあります。
ビックリするくらいの価格で製作出来ました。
DOGHOUSE革の10分の1以下の原価でした
(DOGHOUSEの革が高いというのもありますが(笑))

ちなみにその工場は取引先ブランドを教えてくれました
勿論ここでお話は出来ませんが有名ブランドで定価¥200000くらいの商品でした
原価が変わらないのに 何故?
有名ブランドと安売り革ジャンと同じコストで販売しているのかというと

有名ブランドは広告等の販促代の割合が高く製品コストを1割以下に設定しています。
そして安売りしている製品は大抵の海外の生産工場が直接販売しているケースが多いです。
メーカーや販売方法等それぞれ事情があり
同じ革を使用した製品でも高く売られたり安く売られたりしているんですね
話はそれましたが

長く着ることを目的として前提に考えた場合 
ラム革のレザージャケットは絶対購入すべきではないと思います。
もちろん皆さんの考えるような経年変化も味わうことは出来ません


ではユーザーにとってラム革(羊革)の良いところというのは
柔らかく着易いという事に尽きるでしょう。
ファッション性の高いデザインに向く素材とも思います。
なので一生着るという目的ではなく
ファッション重視で1年サイクルくらいで購入される方にはオススメな素材だと思います。
味を出すつもりで1年着れば革は伸びてきて革の銀面はボソボソになっていることでしょう。
価格帯としては定価5万円未満なら正当な価格かもしれません
ちゃんとした完成品の原価で一般的には1万円未満の原価というのが多いです。
なかには5千円という見積もりを持ってきたビックリな業者もいます。
みなさんんがちょっとお洒落着として購入するなら
5万円未満を基準に購入してみたら如何でしょうか?
原価30%前後なら流通の正しい値段設定だと思います。
(DOGHOUSEの原価は高すぎるので基準にはなりませんが)

15000円で製作して30000円で販売店に卸す 
販売店が45000円でお客様に販売するというのが一般的だと思います。
というわけでメーカーに易しい素材がラム革(羊革)というわけです。
安いレザージャケットは決して悪いことではないですが儲けだけを求めた
ボッタくりの価格のレザージャケットには気を付けて下さいね!

革の件に話を戻しますが
柔らかく着易い素材としての革という点も
馬革でも牛革でも強度を維持しつつ経年変化も楽しめる革を既に完成しているので
長く着用できるレザージャケットをコンセプトとしているDOGHOUSEでは
今後もラム革を使用する予定はないです。

みなさん自分のエイジングの好みや使用目的に合わせ
間違いの無いように購入してくださいね!
今回はお客様からの相談を元に進めさせていただきましたが

実際はもっと細かく鞣し方も分類され
染料の違い等により革の強度やエイジング状況も変わりますので
詳しく知りたい方は直接DOGHOUSEにお問い合わせください。
大きな声では話せない業界の裏話も話しちゃうかもしれません(笑)


【 DOGHOUSE 】
住所        渋谷区 東 1-25-4
TEL&FAX   03-5468-9354
メール       doghouse@qf7.so-net.ne.jp
最近facebookとインスタグラムも始めましたので興味のある方は見に来てくださいね!



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