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価値観。 [シングルライダース(ターンダウンカラー)]

最近面白いジャケットを作ったのでご紹介します。

ツルツルなスムースレザーを使用した。
BLACK ターンダウンカラージャケットです。

そして時を同じくして修理の依頼を頂いた着込まれた
BROWN ターンダウンカラージャケットです。

全く異なる性格のレザージャケット
この2点についてお話したいと思います。

可能な限りスムースな革で製作するという
コンセプトで製作したジャケットが下の写真です。
004 (3).JPG

こちらは5年間着て頂いたターンダウンカラージャケットです。
023 (2).JPG

(襟の比較です。)
つるつるのスムースです。
018 (2).JPG

こちらは艶と皺のコントラストが艶めかしいです。
014 (3).JPG


(サイドストラップ部分)
綺麗にヘリを返して製作しています。
仕上がりは綺麗ですが ヘリ返しをする為に薄く漉いた革を使用してます。
ストラップとしては残念ながらボリュームが出過ぎで使いにくいと思います。
007.JPG

こちらはシンプルな構造ですが、ストラップとして
ベストな強度と機能を果たせるように
厚い革を二枚合わせて断ち切りで製作しています。
しっかりした革も使い込むことにより 程よい良い 
強靭な革にも しなやかさが出ています。
003.JPG

深く刻み込まれた腕の皺が歴史を感じさせます。
018 (2).JPG

こちらにはゴージャスで高額な
 24K製 ririファスナーを使用しています。
015 (2).JPG

何が言いたいのかといいますと いくら着こんでも
2点は同じにはならないという事です。
着こんでいくとBROWNジャケットの様に味が出てくるかと
思われる方もいると思いますが

絶対味は出ません。 
皺の無い革に刻み込まれた味のある皺は入りませんし
透明感のある艶も出ません
入るのは着用皺だけです。

BLACKのジャケットを見たほかのお客様が
「ウエットスーツみたい?」と
言っていましたが まさにその通りだと思います。
革に個性がなく工業製品のようです。
(合皮で製作しても変わらないかもしれません。)
しかし使用しているのは同じ馬革のコンビネーションタンニングの革を使用しています。

いくら同じ素材の革を使用しても作るコンセプトによって
全く違う物になってしまうという事です。

スムースがイイというコンセプトだけで革の仕上げを施し
製作するとこんな無表情なジャケットになってしまいます。

一番大切な事は レザージャケットは長く着るものです。
自分が着続けた将来の姿もイメージして注文されるといいかもしれません。

そして革には裁断方法があります。
縦にとった方がイイのか?横にとった方がイイのか?
適材適所で使用されることが大切です。

そして面白い事に
スムースな革は均一に見えるので
丈夫かと思いきや? 皺のある革の方が
素材としては丈夫です。

整った革の表情も大切かもしれませんが
長く着る事が希望であれば
正しくバランスのいい裁断をした革で製作すべきだと思います。

これからオーダーを希望されている方にアドバイスです。
自分が将来どのように着たいか?
また何をレザージャケットに求めるかを明確にされるといいかもしれません。
我儘でもかまいません 何をしたいのかを具体的に考えて伝えて下さい。

レザージャケットは所詮 ただの服です。
だけど、自分の生き様を反映する鏡だと思います。
長年オーダーを受けているとお客様のリクエストを伺うだけで
その人のライフスタイルや性格も分かってしまう事があります。

良い素材やパーツを使用して
完璧な物を作り上げても 自分が完璧でなければカッコ良くはないです

自分の姿を反映させつつ 将来の姿を想像しオーダーしてください。
最初シンプルなレザージャケットを製作し
自分のライフスタイルに合わせてカスタムしていくのも楽しいかもしれません。

そうすれば バランスのいいレザージャケットが手に入ると思いますよ!

フルオーダーの危険性を例えるなら
カッコ悪い男が自分の理想だけを相手に期待した
絶世の美女と付き合ってるように見えちゃいます。
(そんな恋愛成立しませんよね。何か変なことを勘ぐっちゃいます?)
つまり互いのバランスが悪いと双方ともカッコ悪くなってしまうという事です。

(恋愛に例えるのも変な話かもしれませんが)

フルオーダーという事で思いつく限りの理想を詰め込んでしまいがちですが
自分のライフスタイルや体型も考慮して考えないといけません

レザージャケットだけが完璧な、自分に似合わない服を作ることになってしまいます。
偏った欲張り過ぎはいけません!

バランスが重要です。
デザイン、革、縫製方法 のバランス

自分自身とのバランス  重要ですよ。

皆さん一生の相棒となるレザージャケット
バランスがとれていなければカッコ悪さ倍増です。

全ての物が黄金比ともいえるバランスが成立してこそ
素晴らしい物が創造されるのです。

皆さん 自分の分身となる
本当の良き相棒を手に入れて下さいね!


【 DOGHOUSE 】

住所       渋谷区 東 1-25-4

TEL&FAX   03-5468-9354

メール      doghouse@qf7.so-net.ne.jp

WEBショップ  http://www.dog-house.jp/



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